餌獲りだってひと仕事
入漁券を手に入れ釣りの許可を得たら、次にしなければならないのが餌の確保。釣具店で売っている餌よりも、川にいる川虫を使うほうが絶対に釣れると小室さんは言う。そこで、川虫を捕るため一行は澄川へ向かうことに。
澄川に着くと、細いブラシと網を手にした小室さんがじゃぶじゃぶと流れに入ってゆく。川底の石は滑るので少しでも油断したら足を取られてしまう。小室さんは慎重に歩みを進めながら、川の中の石の側面をブラシでこそげ取り、網の中に落としてゆく。
戻ってきた小室さんの網を覗くと、わずか5ミリほどの川虫がびっしりと網に付いていた。
小室氏 「網から外すのもコツがいるんですよ。手足が取れちゃうと岩魚が食いつかない。岩魚だって生きのいい餌を食べたいでしょ?手足がなかったら死んだ虫だって、すぐにばれちゃう。こうして頭を押さえるとお尻が持ち上がるから、そこをつまむと簡単に取れますよ」
すぐにコツを飲み込んだ佐藤さんと加藤さんは、次々と川虫を網から外し、水苔を敷いた餌箱に入れた。餌は釣る魚の3倍ほど準備すればよい。これだけあれば餌も十分、とお二人はにっこり。

渓流釣りには健脚も必要
準備が整ったら、いよいよ釣り場へ。釣り場は「釣り人が訪れたなら、必ず挨拶してくれる川」と小室さんが言う小阿寺沢(こあてらさわ)。大漁かボウズというという両極端な川もあれば、例え僅かでも毎回手応えのある川もある。小阿寺沢は後者の川なのだそう。
佐藤さんも加藤さんも山歩きには慣れているので、少し歩くが良い釣り場へと案内してもらうことになった。車を下り山道を登るうち、せせらぎの音が次第に大きくなる。汗ばむほど歩いて、ようやく木々の下を流れる小阿寺沢に辿り着いた。岩場からリズミカルに落ちて流れる水は、川底まで見通せるほど清らか。