 |
標高1200メートルのえびの高原へと車を走らせていると、道々で目に入るのは葡萄色(えびいろ)に染まったススキ。そもそも“えびの高原”という名は、山々から噴き出る火山ガスによって葡萄色(えびいろ)に染まったススキ野原から付いたものだと言われています。 今回ご紹介するのは、えびの高原へ向かう途中の標高920メートルの山峡にぽつりと佇む一軒宿「新湯温泉 霧島新燃荘」です。“秘湯 西の大関”というどこか魅惑的な看板に導かれて細道に入り込むと、そこはすでに強い硫黄の匂いと噴煙が立ち込め、期待はぐっと高まります。
ひなびた風情が秘湯ムードを盛り上げる 赤松林に包まれた山の手前に見えてきたのは昭和40年代に建てられたというひなびた風情の宿。左手に建つ木造の湯小屋も“秘湯”という言葉にふさわしい佇まいです。この日は台風前という悪天候にも関わらず、立ち寄り湯を求める人が次々と現れます。旅行、登山やツーリング、湯治、近隣の町から毎日のように入浴しにくる人などさまざまのよう。 敷地内には泉源が5本もあり、混浴露天風呂、男女別内湯のほか宿泊者用の内湯、露天風呂、家族風呂などあちこちに湯船がもうけられていて、その湯量の多さがうかがえます。
|
皮膚病に効くと評判の薬効 新燃岳の麓に湧く新湯温泉は、明治12年に皮膚病を患っていた四国の人が神様のお告げによって発見したと言われています。ほどなくしてこの人の皮膚病は良くなり、その噂を聞いた皮膚病に悩む人々が県内外から次々と訪れたのだとか。現在の経営者、岩元静夫さん(88)がここを買い取り、湯治場と温泉宿の経営を始めたのは昭和26年のこと。きっかけとなったのは、岩元さん自身が皮膚病にかかり、湯治のため新湯温泉を訪れたところ、ひどいかゆみが3日でピタリと治ってしまったことでした。この温泉の持つすごい力を実感した岩元さんは6年後の31歳の時、売りに出ていた新湯温泉の権利を買い取り、「皮膚病で苦しむ人のために」と幾多の困難にも負けずこの温泉を守ってきたそうです。現在は岩元さんの長男ご夫婦が宿と温泉を切り盛りしています。
さまざまな皮膚病に効果抜群の硫黄泉 「水虫なおしにおじゃんせ」、これが新湯温泉のキャッチフレーズ。新湯温泉は全国的にも珍しい硫化水素を大量に含む硫黄泉で、「慢性湿疹や水虫などの皮膚病に効果がある」と九州大学医学部研究グループのお墨付きです。あまりの薬効の強さに、新湯温泉のあちこちに「一回30分以上は入浴しないでください」と書かれた紙が張られているほど。難治性の皮膚病が治ったという湯治客が後を絶たず、その噂はクチコミで広がって、今では年間に6万人もの入浴客が訪れるそう。お湯に溶けた強い硫化水素と炭酸の影響で毛細血管が拡張し、全身の血流がよくなるため、美肌になるとも言われています。
|
温泉通もうなる白濁の湯 受け付けで入浴料を払い、湯小屋に続く階段を下りると、いきなり現れたのは男女混浴の大きな露天風呂。そのあまりの開放感に初めて訪れる人は戸惑いますが、これもまた湯治場ならではの風情。やや青みがかった乳白色のお湯は中がまったく見えないほど濃く、女性は内湯にあるバスタオルを巻いて入浴することができるので、思い切ってチャレンジしてみるのもいいかもしれません。 湯小屋の中にある男女別の内湯は、天井は高く梁や柱が見えて開放的。天井近くまで積まれた岩から熱いお湯が湯船に流れ落ち、岩も湯口も硫黄の成分で黄色に染まっています。木の湯船には青みがかった白濁の湯が満ち、あたりは強い硫黄の匂いでむせかえるよう。 一度入浴すると、数日はその匂いが消えないのだとか。
静かな夜と満天の星を満喫できる宿 旅館の中には和室が大小の12室と男女別内湯、家族風呂などがあります。自炊できる台所もあるので、湯治として1週間ほど泊まっていくお客さんもいるそう。宿で出される食事は山菜や霧島の湧き水で養殖している鯉や鱒などを使った田舎料理が中心で、家族で手作りしている素朴な味が人気です。 宿の周囲には深い原生林のみ。時々、野生のシカも姿を見せるのだとか。夜になるとあたりは静寂に包まれ、都会では見ることのできない満天の星が輝きます。 霧島・えびのの山々は11月の上旬には紅葉の季節を迎えます。噴煙が立ちのぼる静かな山峡の秘湯で、“本物の温泉”を堪能してみてはいかがですか。
|
|
|
| ■名称 |
新湯温泉 民営国民宿舎霧島新燃荘 |
| ■所在地 |
霧島市牧園町高千穂3968 |
| ■お問合せ |
0995-78-2255 |
| ■立寄り時間 |
7時〜22時 |
| ■料金 |
[ 入浴 ] 大人500円・小学生300円・幼児200円 [ 宿泊 ]1泊2食付 7,350〜14,700円/素泊まり 4,725円 [ 休憩 ] 3時間以内 大人1,000円/6時間以内 大人1,500円 |
| ■アクセス |
霧島高千穂リゾートより約12km、車で約18分 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
大和ハウス工業(株) 鹿児島支店 鹿児島森林住宅営業所 〒890-0064 鹿児島県鹿児島市鴨池新町12-13 TEL 099-252-1753 |
 |
|
|
|
|
|
|
|
 |
大阪本社
〒530-8241 大阪市北区梅田3丁目3番5号 TEL 06-6342-1411 |
|
|